(( 岡崎南店 * スタッフブログ vol.56 ))
こんばんは!田中です!
本日は国事行為の性質について触れていきたいと思います!
どうぞお付き合いくださいませ!
【憲法第3条】
天皇の国事に関するすべての行為には、
内閣の助言と承認を必要とし、
内閣が、その責任を負ふ。
★国事行為 = 政治(統治)に関係の無い、形式的・儀礼的行為。
★国事行為の性質の捉え方には、争いがある。
(1)国事行為の性質は、(本来)すべて形式的・儀礼的行為であると考える立場
(2)国事行為の性質は、もともと形式的・儀礼的なものではない。
国事行為が、内閣の「助言と承認」に基づかねばならない結果、
国事行為は、形式的・儀礼的になる(名目化する)のだ、という立場
※(1)は、内閣の「助言と承認」に国政の実質的決定権は含まれないとする説。
(つまり、内閣の「助言と承認」自体も、形だけで実質がないものと捉える感じ)
※(2)は、国事行為が含む国政関連部分の実質的決定権を、内閣の「助言と承認」
の中に完全吸収させた結果、国事行為を形式的・儀礼的行為に名目化させるというもの。
(国政の実質的決定権は内閣の「助言と承認」でガッチリ握ってしまい、
結果、天皇の国事行為は形だけ、という感じ。)
★見方を変えると、
国事行為への内閣の「助言と承認」に、国政関連行為の
・実質的決定権は含まれないのか、
or
・実質的決定権を含む場合もあるか
という問題になる。
★天皇の国事行為は、次の3つに分類できる。
【1】それ自体が形式的・儀礼的行為であるもの
【2】憲法上、他の国家機関が行為の実質的決定権を行うことが
明記されている結果、形式的・儀礼的行為になるもの
【3】政治性の強い行為だが、憲法上、実質的決定権の所在が明確でないもの
★以下、【1】~【3】を具体的に述べる。
【1】それ自体が形式的・儀礼的行為である国事行為
・認証(7条5号)
・栄典の授与(7条7号)
・接受(7条9号)
・儀式(7条10号)など
【2】憲法上、他の国家機関が行為の実質的決定権を行うことが
明記されている結果、形式的・儀礼的行為になる国事行為
・国会による内閣総理大臣の指名(6条1項、67条1項)
→ 天皇による内閣総理大臣の任命(6条1項)
・両議院による法律の可決(59条)
→ 天皇による法律の交付(7条1号)
・内閣による最高裁判所長官の指名(6条2項)
→ 天皇による最高裁判所長官の任命(6条2項)
・内閣による政令の制定(73条6号)
→ 天皇による政令の交付(7条1号)
・内閣による条約の締結&国会の事前事後の条約承認(73条3号)
→ 天皇による条約の交付(7条1号)
・憲法改正の国民投票(96条)
→ 天皇による憲法改正の交付(7条1号)など
【3】政治性の強い行為だが、憲法上、実質的決定権の所在が明確でないもの
・国会【常会・特別会】の召集(7条2号)
・衆議院の解散(7条3号)
※【臨時会】の召集は、内閣が決定(53条)
★結局、内閣の「助言と承認」に『国政の実質的決定権』を含めるかどうかで、
【3】の国事行為の扱い方が変わってくる。
★つまり、内閣の「助言と承認」に『国政の実質的決定権』を含めてしまえるなら、
内閣は、7条3号を根拠に(「助言と承認」を通じて)、
衆議院を自由に解散してしまえるということ。
同様に、7条2号を根拠に国会(=常会・特別会)の召集もできる。
(臨時会は53条を根拠に、内閣が召集)
上記、【国事行為の性質(2)~ 「助言と承認」で→名目化】の立場を採れば、
内閣の「助言と承認」に『国政の実質的決定権』を含めてしまえるから、
内閣は7条3号解散が可能になる。
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★【国事行為の性質(2) ~ 「助言と承認」で→名目化】
国事行為の性質は、もともと形式的・儀礼的なものではない。
国事行為が、内閣の「助言と承認」に基づかねばならない結果、
国事行為は、形式的・儀礼的になる(名目化する)のだ、という立場
★上述の通り【国事行為の性質(2)~「助言と承認」で→名目化】は、
国政の実質的決定権を、内閣の「助言と承認」に吸収させる立場
★逆に、内閣の「助言と承認」に『国政の実質的決定権』がないとすると、
内閣の「助言と承認」も、天皇の形式的・儀礼的行為についての
(ある意味、形だけの)【助言と承認】でしかない。
上記、【国事行為の性質(1)~ 元々、名目的】の立場である。
★【国事行為の性質(1) ~ 元々、名目的】
国事行為の性質は、本来すべて形式的・儀礼的行為であると考える立場
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◎つまり【国事行為の性質(1)~ 元々、名目的】の立場では、
7条3号で、衆議院の解散はできない。
(実質的決定権を含まない)内閣の【助言と承認】では、
(天皇の形式的・儀礼的行為を定めたに過ぎない)7条3号を根拠に、
『(政治的決定である)衆議院の解散』はできないということ。
国事行為の性質は、本来すべて形式的・儀礼的行為であると考える、
【国事行為の性質(1)~ 元々、名目的】では、
どの機関が衆議院の解散の実質的決定を
するかの根拠を7条3号以外で求めることになる。
具体的には、【69条説】、【65条説】、【制度説】、【自律解散説】などがある。
以下、サラッと書いちゃうと(・ω・d)
【69条説】
衆議院の内閣不信任決議にともなう解散を規定した69条を根拠に、
内閣は衆議院を解散できるというもの。
69条説では、内閣不信任決議が可決 or 信任決議が否決された時しか
内閣は衆議院を解散できず、解散により民意を問う解散の民主主義的意義が
軽視されるなどの批判がある。
【制度説】
権力分立制・議院内閣制を根拠に、内閣不信任決議に関係なく、
内閣の自由な解散を認める説
【65条説】
65条を根拠に、内閣の自由な解散決定を認める説
【自律解散説】
内閣だけでなく、衆議院自らも解散できるという説
◎【国事行為の性質(1)~ 元々、名目的】の立場では、国会の召集の実質的決定も、
内閣の「助言と承認」→7条2号ではできない。
よって、国会召集の内閣の実質的決定権は
臨時会に関する53条を類推解釈して、
認められることになる。
【69条】
内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、
又は信任の決議案を否決したときは、
十日以内に衆議院が解散されない限り、
総辞職をしなければならない。
【65条】
行政権は、内閣に属する。
【53条】
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、
内閣は、その召集を決定しなければならない。
以上、お付き合いいただきありがとうございます!
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